電解質異常の対応シリーズです。
まずはK(カリウム)の異常について学んでいこうと思います。
なんとなくKの異常は危険というイメージがある人も多いかもしれませんが、
どう対応していいのかわからない人にはぜひ読んでもらいたいです。
では早速みていきましょう!
高K血症、低K血症について
高K血症
原因には、
①Kの過剰投与
②Kの排泄障害
③細胞内から細胞外へのKの移行
があります。
①Kの過剰投与
・Kの大量経口摂取
・輸液、輸血からのK摂取
※輸血の急速投与も!
②Kの排泄障害
・乏尿性腎不全(急性/慢性腎不全)
・薬物(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系抑制薬)
・低アルドステロン症
③細胞内から細胞外へのKの移行
・筋肉からの放出(スキサメトニウム、悪性高熱症など)
・細胞内からの移行(アシドーシスなど)
麻酔科が対応する状況としては、
・Kを多く含んだ輸液の投与
・輸血の急速投与
・低換気によるアシドーシス
・代謝性アシドーシス
・急性/慢性腎不全
が多いかなと思います。
高K血症になると、、
不整脈
房室ブロック
心停止
という致死的な状況に陥る可能性があるため、
「高K血症は危険!」というイメージがあるのだと思います。
低K血症
原因には、
①K摂取の減少
②Kの細胞内への移行
③腎からのK喪失
④腎以外からのK喪失
があります。
①K摂取の減少
・絶食
・飢餓
・アルコール中毒
②Kの細胞内への移行
・アルカローシス
・インスリン
・β2刺激薬(子宮収縮抑制薬、気管支拡張薬など)
③腎からのK喪失
・利尿薬
・副腎皮質ホルモン
・アルドステロン症
④腎以外からのK喪失
・下痢
・嘔吐
麻酔科が対応する状況としては、
・絶食、飢餓、アルコール中毒
・アルカローシス
・インスリン
・β2刺激薬
が多いかなと思います。
低K血症になると、、
筋脱力
不整脈
など高K血症と同じく不整脈が出現することもあります。
K異常の治療
では実際に手術中にK異常に遭遇した場合に、
どのように対応・治療すればいいのか確認しましょう。
高K血症の治療
高K血症の対応の考え方としては、
①Kの投与中止
②Kの体外への排泄促進
③Kによる心毒性の抑制
④Kの細胞内への移行促進
の視点で考えます。
①Kの投与中止
・Kを含む輸液を中止してKフリーにする
輸血が原因と考えられれば、
・洗浄赤血球へ変更
・輸血用カリウム吸着フィルターの使用
②Kの体外への排泄促進
循環血液量が十分であることを確認した上で、
・フロセミド20mgの静注
③Kによる心毒性の抑制
・2%塩化カルシウム 10〜20mL
・8.5%グルコン酸カルシウム(カルチコール)20mL
を3分かけて静注
④Kの細胞内への移行促進
・炭酸水素ナトリウム(メイロン)50〜100mEq
例)7%メイロン:約60〜120mL
例)8.5%メイロン:50〜100mL
〜代謝性アシドーシスの是正のために必要な塩基量の計算〜
7%メイロンの場合
投与量(mL)= 体重(kg)× 0.2 ×(-BE)/ 0.833
8.5%メイロンの場合
投与量(mL)= 体重(kg)× 0.2 ×(-BE)
・GI療法
例)50%ブドウ糖50mLにヒューマリンR 5単位混注し緩徐に静注
※ブドウ糖5gに対してヒューマリンR 1単位では低血糖になる可能性低い
などがあります。
低K血症の治療
K補正は短時間に急激に補正すると危険なので、
基本的には経口摂取できれば経口投与で補正します
経口投与の場合、、
20〜40mEqを1日2〜3回投与
全身麻酔の時には経口摂取なんてできませんので、
静脈からの投与になります。
Kの静脈投与においては、
末梢静脈から高濃度で投与すると静脈炎を起こす可能性があり、
急速にKを補正しないように慎重に投与するのが基本です。
末梢静脈投与の場合、、
濃度 40mEq/Lまで
投与速度 20mEq/hrまで
例)KCL 20mEq + 生食 500mLを1時間かけて投与
中心静脈の場合、、
濃度 200mEq/Lまで
投与速度 20mEq/hrまで
例)KCL 20mEq + 生食 100mLを1時間かけて投与
まとめ
以上。
K値の異常とそれに対する対応を勉強していきました。
大事なことは、
・高K血症は見逃さない
・高K血症の治療は多角的なアプローチが大事
・低K血症の補正は焦らず慎重に
ということです!
Kの異常に出会った時は
この記事を思い出して対応してみてください!
ではでは〜



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