アナフィラキシーについて

今回はアナフィラキシーの対応について勉強していこうと思います。

そう頻繁に出会うことはありませんが、
遭遇すると大変で慌ててしまう
そういうものは日頃から知識をつけておくことが大事です。

それではさっそく見ていきましょう!

アナフィラキシーの原因

周術期におけるアナフィラキシーの原因になりやすいものは、

①筋弛緩薬
②スガマデクス
③ラテックス
④抗生剤
⑤局所麻酔薬
⑥輸血製剤

などが挙げられます。

では、アナフィラキシーになった時には
どういった症状が出てきて、
どう診断したらいいのでしょうか。

アナフィラキシーの症状、診断基準

症状

①皮膚・粘膜症状
皮疹、蕁麻疹、掻痒感、紅潮、口唇・口腔粘膜の腫脹など

②呼吸器症状
呼吸困難、喘鳴、気管支攣縮、気道浮腫、上気道性喘鳴、酸素化不良など

③循環器症状
血圧低下など

④消化器症状
悪心・嘔吐、下痢など

ただ、わたしたち麻酔科医が出会うアナフィラキシーは
手術中(全身麻酔中)であることが多いと思うので、
患者さんの自覚症状を確認できないところが難しいのです。

診断

一般的なアナフィラキシーの診断基準としては、

①
『皮膚・粘膜症状に加えて、
呼吸器または循環器または消化器症状の少なくともひとつ』

②
『典型的な皮膚・粘膜症状がない場合でも、
患者にとって既知のアレルゲンまたは可能性が高いアレルゲン暴露後に、
血圧低下または気管支攣縮または喉頭症状の少なくともひとつ』

となっています。

ただ、先ほども書いたように、
全身麻酔中におけるアナフィラキシーの難しい点は、
・患者さんの自覚症状を確認できない
・手術用ドレープで皮膚症状が確認しにくい
・人工呼吸器管理で呼吸器症状に気付きにくい
・麻酔や手術操作で循環器症状に気付きにくい

といったところにあります。

なのでポイントとしては、

常に血圧低下の原因として
アナフィラキシーショックの可能性を考えておく

体位変換や手術操作に伴わない気道内圧上昇を
気管支攣縮を鑑別に疑う

皮膚症状の観察を怠らない

ということが大事になります。

早期発見・早期治療が重要であることは言わずもがなですが、
具体的にどう対応すればいいのか見ていきましょう。

アナフィラキシーの対応・治療

アナフィラキシーの対応として大事なのは、
アナフィラキシーであると覚知した時点で
直ちに応援要請すること
です。

そんなこと?と思われるかもしれませんが、
アナフィラキシーなどの緊急事態においては
あらゆる治療や処置をスピーディーに同時に行っていくため
人員を確保することはとても重要なです。

その上で、
具体的な治療方法を確認していきます。

①原因物質の中止・除去
原因として疑われる薬剤はすぐに中止・除去する
麻酔薬が被疑薬の場合は麻酔法も変更する

②気道確保・酸素投与
気道閉塞の危険があれば気管挿管
全身麻酔中であれば気道確保はされていることが多いが、
100%酸素投与、気道抵抗の上昇に応じて呼吸器の設定を調整する

③急速輸液
最初の5分で細胞外液を5〜10mL/kg
必要あればより太い静脈路を確保する

④アドレナリン投与(第1選択薬)
・生命を脅かさない低血圧、気管支攣縮
 →他の昇圧薬に反応不良の場合、アドレナリン0.02mg iv
・生命を脅かす低血圧、気管支攣縮
 →アドレナリン0.05mg iv
・心配蘇生が必要な状態
 →アドレナリン1mg iv

⑤抗ヒスタミン薬、ステロイドなど(第2選択薬)
H1ブロッカー:ポララミン5mg iv
 (血管拡張と気管支収縮の軽減)
H2ブロッカー:ガスター20mg iv
 (常に併用する根拠はない)
ステロイド:ソルコーテフ200mg iv
 (遷延化、ニ相性アナフィラキシーの予防)
グルカゴン:グルカゴン1〜5mg iv

まとめ

今回はアナフィラキシーの対応について勉強しました!

アナフィラキシーは、発症すると迅速な対応が求められる重篤な病態です。

特に全身麻酔中は、皮膚症状や呼吸器症状が分かりにくく、診断が遅れてしまう可能性があります。

そのため、麻酔中の急激な血圧低下や、原因不明の気道内圧上昇を認めた場合には、アナフィラキシーの可能性を常に考えておくことが大切です。

対応のポイントは以下のとおりです。

  • 早期覚知・応援要請
  • 原因物質の中止・除去
  • 100%酸素投与・気道管理
  • 急速輸液
  • アドレナリン投与

抗ヒスタミン薬やステロイドなども補助的に使用されますが、アナフィラキシーの初期治療ではアドレナリンが第一選択となります。

緊急時に慌てず対応できるよう、日頃から診断のポイントと初期対応を確認しておきましょう!

今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

ではでは〜

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