先日、小児の麻酔をしている時、
麻酔はちゃんと効いているはずなのに血圧が高いなあって思って指導医に相談したら、
「マンシェット小さくない?」って言われて、
ワンサイズ大きいものにしたらきちんと適格な測定値になりました。
知っている人からしたら、「そんな初歩的なことを、、」と思ったり、
普段血圧を測り慣れている看護師さんからしたら当たり前の知識なのかもしれません。
マンシェットの大きさがいくつかあって
腕の太さや身体の大きさによって至適サイズがあることは知っていましたが、
研修医、外科医時代には自分で血圧を測る機会がほぼなかったので
恥ずかしながら医者9年目にしてマンシェットの選択の壁にぶち当たったのです。
ということで、今回は手術や麻酔というよりは、基本の基。
マンシェットの大きさについて学ぼうと思います!
「そんなこと知ってる」って人も、
なぜそのマンシェットを選択するのかを改めて確認するいい機会になるかもしれません。
ではいきましょう!
マンシェットの幅が血圧にどう影響するか
「マンシェットの幅」とは、
「マンシェットを腕に巻いた時の、長軸方向の長さ」のことをいいます。
正直、どんな腕でも一つのマンシェットで正確に血圧が測れるのであれば
そんな楽なことはないですよね。
でも、この世にいくつもマンシェットのサイズがあるのには意味があるんです。
それは、
『マンシェットの幅によって、血圧の測定値に差が出るから』
です。
結論から言うと、
マンシェットの幅が狭いと実際の血圧より測定値が高く出る
マンシェットの幅が広いと実際の血圧より測定値が低く出る
となります。
「理由なんでどうでもいい」って人はこれだけ覚えておけばいいと思います。
マンシェットの幅で測定値が変わる理由
どうしてマンシェットの幅によって
測定値に上記のような差が出てしまうのでしょうか。
一言で表現するなら、
『動脈をつぶすのに必要な圧が変わるから』です。
血圧計の測定方法は、
①マンシェットで上腕を圧迫
②動脈を一時的に閉塞して血流を遮断
③圧を下げながら血流が再開する値を測定
という流れになります。
つまり、動脈を圧迫する必要があります。
直感的な私のイメージでは、
マンシェットの幅が狭い(面積が小さい)
→圧力が高くなるから小さい力で圧迫できる
→血圧の測定値が低くなる
なので、逆なんじゃないかと思ってしまいますが、
ここは圧力の問題ではなく、
『どれだけ効率よく動脈を圧迫できるか』というところが重要みたいです。
上腕を圧迫して動脈まで到達するには
皮下組織や筋肉を圧迫していく必要があります。
マンシェットが狭いと、
動脈に到達するまでにいろんな組織に力が分散されてしまうので
動脈をつぶすのに高い圧が必要になる。
マンシェットが広いと、
他の組織の逃げ場がないくらい均等に力が加わるので
低い圧でも動脈をつぶすことができる。
このイメージが的確にあっているかはわかりませんが、
私はこんな感じで理解しました。
どのマンシェットを選択するか
では実際にみんなが知りたいと思っている、
「結局、どのマンシェットを使ったらいいの?」という疑問に向き合いましょう。
マンシェットの幅は、
JIS規格という
日本国内の製品やサービスの品質・安全性・互換性を統一するために定められた国家規格
で定められています。
| 年齢 | 目安 | マンシェット幅 |
| 生後3か月未満 | 新生児、乳児 | 3cm |
| 生後3か月~3歳 | 乳幼児 | 5cm |
| 3~6歳 | 幼児 | 7cm |
| 6~9歳 | 低学年 | 9cm |
| 9歳以上の小児 | 高学年~中学生くらい | 12cm |
| 成人(上腕用) | 一般的な成人の上腕 | 14cm |
| 成人(下肢用) | 成人の下肢、腕の太い成人 | 18cm |
この規格はあくまで目安なので、
体格の大きい小児や痩せている成人などでは個々で調整する必要があります。
きちんと個々の症例でマンシェットを考えるのであれば、
測定部の周(腕や足の太さ) ×0.4 ≒ マンシェットの幅
が適したものとされています。
まとめ
今回は血圧計のマンシェットについて学びました。
一つだけ覚えておくのであれば、
マンシェットの幅が狭いと実際の血圧より測定値が高く出る
マンシェットの幅が広いと実際の血圧より測定値が低く出る
だけ覚えておいたら、臨床現場ではまず問題ないです。
さらに、個々でマンシェットの幅を選定するのであれば、
測定部の周(腕や足の太さ) ×0.4 ≒ マンシェットの幅
まで覚えておけば間違いないと思います。
「なんか想定しているより血圧が高い/低い」と思った時には、
原因の一つとして
マンシェットの幅が適切かどうか
という視点でも考えられるといいですね。
もちろん『本当に身体に何かが起きている』時もありますので、
マンシェットばかりに気をとられて
本質を見失わないように注意しましょう。
いまさら人に聞くのも恥ずかしいくらいの内容だったので
こそっと勉強してあたかも前から知っていました風を装ってます笑
同じような疑問を持っている方にとって
この記事が役に立ったらうれしいです。
これからも疑問に思ったことは簡単なことでもおさらいしていきますので
ハードルを下げて勉強していこうと思います!
ではでは~


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